概論
呼吸細気管支に病変の主座をおく慢性炎症が、両肺にび慢性に存在し、強い呼吸障害をきたす疾患である。本症の病因・成立機序は不明であるが、HLA-Bw54が比較的高率に認められること等から遺伝的要因の存在が示唆される。また、病変は下部気道にとどまらず、慢性副鼻腔炎を85%に合併することから、気道系の防御機構に何らかの障害が存在すると考えられている。性別では、やや男性に多く、発症年齢では、30〜40歳代が多く、若年者の発病も少なくない。
臨床症状
@咳・痰・労作時息切れ:多くの症例では、咳・痰が続いたのち数年後に労作時息切れが出現してくる。痰は、早期には少量で、漿液性であるが、病変の進展とともに増加し、気道感染を伴うと膿性となる。
A喘鳴:聴診上、両側背下部に小水泡音、多くは捻髪音が比較的早期から聴かれる。しばしば乾性ラ音も聴取される。
Bその他の症状:発熱、チアノーゼ、ばち状指、病期の進行とともに頻脈となり、肺性心に陥り、乏尿・浮腫が出現する。
一般検査(表1)
表1 検査所見
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@び慢性細気管支炎の臨床検査所見:赤沈↑、CRP↑、RA+↑、ツ反↓、白血球数(斜め上矢印)、好中球%(斜め上矢印)、好酸球%→、リンパ球%(斜め下矢印)、血清蛋白 →、γ-グロブリン(斜め上矢印)、IgM(斜め上矢印)、IgA↑、IgG(斜め上矢印)、IgE→、寒冷凝集素↑。
A胸部単純X線所見:肺過膨張・透過性亢進、び慢性粒状影(主に下肺野)。
B呼吸機能検査:%VC↓、FEV1.0%↓、V50↓、V25↓、TLC↑、RV↑、DLCO(斜め下矢印)。
C動脈血ガス分析:PaO2↓AA−aDO2↑。
D選択的肺胞気管支造影:肺胞の造影不良、細気管支末梢の中断、拡張。
E胸部CT:血管影の乱れ、散在する小結節状影。
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@胸部単純X線:肺の過膨張に伴う肺野の透過性亢進と、下肺野に多くみられるび慢性粒状影が特徴的所見で、90%以上の患者に認められる。また、traim line、peribronchial thickeningも70%程度にみられる。
A呼吸機能検査:肺活量の低下、1秒率の低下など混合性換気障害を示す。残気率上昇、V50、V25の低下は早期よりみられる。肺拡散能の低下は軽度である。
B動脈血ガス分析:PaO2低下AA-aDO2開大は早期より、進行するとPaCO2上昇もみられる。
C喀痰細菌検査:初期にはインフルエンザ菌の感染が多く(初診時44%)、肺炎球菌・緑膿菌・肺炎杆菌もみられる。経過中、緑膿菌交代症を起こすことが多い。
D心電図:初診時30%に右心負荷、肥大所見を認める。慢性閉塞性肺疾患のうち、最も肺性心に陥りやすい。
Eその他:(表1)。
特殊検査(表1)
@気管支造影:あまり異常のみられないことが多い。
A選択的肺胞気管支造影:肺胞像が造影されにくい。進行すると、細気管支末梢部の中断像、より高位の細気管支内腔の拡張像、種々の壁不整像をみる。
B胸部CT:気管支細気管支に沿う血管影の乱れ、周辺に散在する辺縁不明瞭な結節状影。
診断
表2 び慢性汎細気管支炎(DPB)診断の手引き
(厚生省特定疾患間質性肺疾患調査研究班、1983年)
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1.概念:略。
2.主要臨床所見:@臨床症状:咳・痰・および労作時息切れ、
A胸部聴診所見:湿性ラ音、乾性ラ音、
B胸部X線所見:両肺野び慢性散布性粒状陰影および
肺の過膨張所見、
C呼吸機能検査所見:1秒率低下、肺活量低下、残気率増加、 低酸素血圧の4項目中3項目以上を満たすもの。
3.診断:臨床的に上記の主要臨床所見の各項目を満たすものである。 鑑別診断上注意を要する疾患は慢性気管支炎、気管支拡張症、気管支喘息、肺気腫症 である。病理組織学的検査は本症の確定診断上有用である。
−−−−──────────────────────────────────── 診断基準(表2)を示す。病理組織学的所見は、鑑別診断上最も重要であるが、経肺生検(TBLB)で確診にいたる例は半分以下である。高率に慢性副鼻腔炎の合併をみることも重要である。
管理に必要な検査(表3)
表3 管理上必要な検査
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1か月間隔で施行する検査 :@血沈、A血算、B喀痰細菌検査
3〜6か月間隔で施行する検査:@胸部単純X線、A呼吸機能検査、B動脈血ガス分析、 C心電図。
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