概論
自然気胸は、特発性気胸と続発性気胸に大きく分類される。特発性気胸は、長身の若年男性に多く、胸部X-P上は気胸の原因となりうる肺疾患が認められず、その大部分は肺尖部のblebの破裂によるものとされている。他に基礎的肺疾患が存在し、それによって起こるものを続発性気胸という。続発性気胸の原因となる疾患としては、肺気腫、肺結核、肺癌、間質性肺癌、じん肺、膠原病、び慢性過誤腫性脈管筋腫症、肺好酸球肉芽腫症、月経随伴性気胸、寄生虫、Marfan症候群、サルコイドーシスなどがあげられる。
臨床症状
@突発する胸痛:大部分に認められる。胸痛は時間とともに軽快することが多い。
A呼吸困難:半数以上に認められる。胸腔内圧の高い場合に呼吸困難を訴えることが多い。
B咳嗽:10〜40%に軽い咳嗽を認める。
C皮下気腫:まれに縦隔気腫、皮下気腫を合併。
D理学所見:ある程度の肺の虚脱があれば、打診上鼓音、呼吸音の減弱、声音振盪の減弱などの所見。虚脱が高度であれば、患側肋間腔の開大、患側呼吸運動の減少。
E緊張性気胸:縦隔や健側肺の圧迫により換気および静脈環流が傷害され、頻脈、頚静脈怒脹、血圧低下、チノアーゼ、意識障害を呈してくる。
一般検査所見(表1)
表1 一般検査所見
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@胸部X-P:臓側胸膜縁で境界された血管影を欠く透亮帯(特に肺尖部)。気胸の辺縁は 肺門に対し凹形、肺嚢肪では凸形。呼気位で気胸を発見しやすい。虚脱度→Kircherの 式。
A動脈血ガス分析:半数でPaO2低下、PaCO2は正常か低下。
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@胸部X-P:気胸腔は、臓側胸膜縁で境界された血管陰影を欠く透亮帯として認められる。 胸腔内圧が上昇すれば患側の肋間腔は開大し、縦隔は健側偏位する。少量の胸水を認め ることも多い。肺嚢胞との鑑別がときに問題となるが、気胸では辺縁が肺門に対し凹の 形となるのに対し、肺嚢胞が肺門に対して凸の形となる。ごくわずかな気胸の場合、呼 気位での撮影で気胸が認めやすくなることがある。虚脱度の決定にはKircherの式など がある。(図1)。
A心電図:左右気胸に共通の変化としては@I誘導R波減高、S波増高、A右軸偏位、B肺 性Pがあげられる。
B動脈血ガス分析:半数近くにPaO2の低下を認める。PaCO2は正常か低下する。
Kircherの虚脱度計算式
虚脱度 = (AB-ab)/AB *100 %
特殊検査所見(表2)
表2 特殊検査所見
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@胸部CT:小さい気胸の発見。ブラ、ブレブの発見。肺嚢胞との鑑別。
A胸胞造影:ブレブの発見。数、位置の把握。
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@胸部CT:小範囲の気胸の発見。ブラ、ブレブの発見に有用である。また肺嚢胞との鑑別 に有利である。
A胸胞造影:ブレブの発見、数、位置の把握のために行われることがある。
診断
気胸を疑って胸部X-Pを注意深く検討すれば、多くは容易に診断できる。胸膜に癒着のある場合、ときに肺嚢胞との鑑別が問題になるが、胸部CTとの併用で解決できることが多い。
管理上必要な検査
内科的治療では再発の多いことを念頭に置き、症状があれば直ちに胸部X-Pの撮影を行う。続発性気胸では、原因疾患のfollow upに必要な検査を行う。
メディカル・ノート
re-expansion pulmonary edema:何らかの原因で虚脱していた肺が再膨張る際、ときに肺水腫の発生をみることがあり、re-expansion pulmonary edema と呼んでいる。その発生頻度は、まれであるとするものから、10%前後とするものまでさまざまである。脱気療法後、咳嗽が出現し、呼吸困難が急速に進行する。チアノーゼ、泡沫痰を伴い、湿性ラ音を聴取する。重病で治療が遅れると、呼吸不全のために死亡することもある。従来、過大な吸引圧が主因であると考えられていたが、むしろ平圧脱気法での発症が主で、現在は否定する者が多い。低酸素性血管透過性亢進によるとの説、血管作動性物質神経性因子が関与するとの説、サーファクタントの消失によるとの説などがあるが、まだ定説はない。
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