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尿路結石

 奴田原紀久雄、東原英二

概論

 1975年の疫学調査では尿路結石の生涯罹患率は約4%である。年間罹患率と年間有病率はそれぞれ人口10万に対して53.2,69.4で1965年から1975年にかけて漸増している。発生部位は上部尿路(腎、尿管)と、下部尿路(膀胱、尿道)に分けて考えると、1940年代までほぼ同率であったが、現在では上部尿路結石が95%を占めるにいたっている。好発年齢は20〜50歳代で、男女比は2.4:1と男性に多い。結石成分は蓚酸カルシウム(Ca)やリン酸CaなどのCa含有結石が約75%を占め、細菌感染が原因のリン酸マグネシウムアンモニウム含有結石は約15%にみられる。結石の原因となるような尿流停滞、尿路感染、長期臥床、acetazolamideの投与、Ca代謝異常(原発性副甲状腺機能亢進症、特発性高Ca尿症、Cushing症候群、腎尿細管性アシドーシス)、蓚酸代謝異常、尿酸代謝異常、シスチン代謝異常を示すものが約40%の症例にみられる。

臨床症状

@疼痛:上部尿路結石では側腹部痛、背部痛がみられ、ときに会陰部や睾丸部に放散する。疼痛の程度は鈍痛から疝痛までさまざまである。疝痛時には嘔気嘔吐などの消化器症状を伴うことがある。下部尿路結石では排尿痛を起こすこともある。
A血尿:90%以上の症例がみらるが、肉眼的血尿はこのうち約20%で、他は顕微鏡的血尿である。
B膿尿:腎盂腎炎の合併例や、細菌感染が原因のリン酸マグネシウムアンモニウム結石でみられる。
C膀胱刺激症状:尿管下端の結石でも頻補尿や残尿管が起こる。膀胱結石ではさらに尿線が中絶したりすることもある。

一般検査(表1)

  表1 一般検査
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@尿検査:血尿、または血膿尿
A血液検査:血算、BUN,Cr,Ca,P,尿酸
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@尿検査:血尿、ときに血膿尿、細菌尿。
A血液検査:腎盂腎炎の合併時白血球数増加、原発性副甲状腺機能亢進症では高Ca血症、低P血症。単腎患者の結石例や両側上部尿路結石嵌頓例などではBUN,Crの上昇がみられることもある。

特殊検査(表2)

  表2 特殊検査
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@KUB,IVP(またはDIP):first choice
A超音波検査:腎、膀胱の結石、腎形態の評価
Bct:x線陰性結石、腎形態の評価
C内視鏡検査:特に膀胱結石の場合
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@腎尿管膀胱単純撮影(KUB)・排泄性腎盂造影法(VIP・DIP):KUBにて結石の位置を確認し、VIPあるいはDIPで結石陰影側の造影剤排泄遅延や水腎水尿管の有無を見る。
A逆行性腎盂造影法(RP):X線陰性結石のの場合に施行する。陰影欠損像が不整なとき等は腫瘍病変を疑う。また尿管カテーテルから摂取した尿の細胞診も結石と腫瘍を鑑別するのに有効である。感染の可能性があるので必要がある症例にのみ行う。
B超音波検査:腎内及び膀胱内の結石であればX線陰性結石でも診断できるが、尿管結石の描出には適さない。造影剤の排泄のない腎臓の描出にも適している。
CCTスキャン:X線陰性結石の描出も可能であるが、スライスに結石が含まれないこともあるため注意を要する。造影剤の排泄の見られない腎臓の形態を判断できる。
D内視鏡検査:膀胱結石は膀胱鏡で判断できる。                  
診断

 側腹部痛や血尿等の臨床症状より尿路結石を疑ったら、KUB。IVPまたはDIPを施行する。必要に応じてCT等を行う。常に悪性腫瘍との鑑別に留意する。

管理上必要な検査

  表3 管理上必要な検査
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@血液生化学:BUN,Cr,Ca,P,PTH,尿酸
A尿生化学:Cr,Ca,P、尿酸。蓚酸クエン酸排量の測定。
B尿検査、尿培養。
C結石分析。
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結石の自然排泄は80%以上にみられるが、再発も30〜50%に起こるため、再発を起こすような代謝性疾患(原因性副甲状腺機能亢進症、特発性高Ca尿症、高尿酸尿症等)の有無を検査する。結石が腎機能に悪影響を与えることもあるため腎機能を検査する。また尿路感染の有無を随時検査する。自排されたり手術により得られた結石を分析する。

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