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血小板血症

 田部 章

概論

 本疾患は血小板の著しい増多による出血症状と血栓症状を主徴とする。男女比は1:1で性差はない。初発年齢は30歳以後で、50〜60歳を中心に分布する。慢性の骨髄増殖症候群に属し、慢性骨髄性白血病、真性赤血球増加症、原発性骨髄線維症と同様な病態と考えられている。診断には二次的に血小板増多を起こす原因のないことを確認する。(表1)。

  表1 二次的血小板増多症
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鉄欠乏性貧血、急性出血、炎症、感染症、悪性腫瘍、アレルギー性疾患、骨髄増殖性疾患
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臨床症状

@出血症状:歯肉出血、鼻出血、止血困難、吐血下血などの出血症状が数カ月から数年にわたり繰り返すことが多い。紫班はまれで、消化管潰瘍が多い。
A血栓症状:下肢先端のしびれや疼痛、趾壊疽(blue finger,blue toe syndrome)、意識消失発作や、片麻痺などの脳血栓症状、脳卒中、脾静脈の血栓、胸痛心筋梗塞
Bその他の症状:中等度の脾腫を認めるが、脾動脈に血栓ができると脾が萎縮する。巨脾を認める場合は、他の慢性骨髄増殖疾患を考える。リンパ節腫脹はみられない。軽度の肝腫大を認める。本症に痛風を合併しやすい。

一般検査所見

@末梢血液所見は、血小板数は経過中かなり変動するが、100〜200万/μl であることが多い。血小板形態で、大小不同、大型血小板、血小板集塊、巨核球断片を認める。10,000以上の白血球増加を示すが、40,000以上になることは少ない。白血球分画では、好中球増多、好酸球増多、好塩基球増多を認める。まれに慢性の消化管出血による失血性貧血を認める。
A血清生化学検査でカリウムの上昇を認めるが、血漿カリウムは正常範囲内である(pseudohyperkalemia.。LDH,リゾチーム、尿酸値の上昇することが多い。ビタミンB12や葉酸が増加することがある。

特殊検査

@骨髄穿刺:骨髄は過形成のことが多く、血小板を産生している巨核球に異形性を認める。赤血球系や顆粒球系の増加は軽度。
A骨髄生検:著しい血小板増加のため骨髄吸引が困難なことがある(dry tap)。 この場合は、Jamshidiの生検針を用いた骨髄生検が必要となる。骨髄組織像で好銀線維、膠原線維の増加は、原発性骨髄線維症に比べ軽度である。
B血小板機能異常:自然凝集(spontaneous platelet aggregation)を認める。これは血 小板多血漿(original PRP)を撹拌することにより凝集誘発剤の添加なしに血小板凝集を認めることで、血小板のhypreractivityを示す。しかし血小板数を30万/μl に調節すると自然凝集は起こらない。凝集機能の低下をアドレナリンAADP、コラーゲン凝集に対して認める。

診断

@慢性の血小板増多が高度で、原因が不明であることを示す(除外診断)。
A血小板の形態と機能に異常を認め、骨髄所見に大型で異型性のある巨核球数の著増を認める。
B他の二次的血小板増多症に比べ出血・血栓症状を起こしやすい。
C中等度の脾腫を認める。
D非定型的な例では、真性赤血球増多症(鉄剤投与により貧血が改善され赤血球が著増し、末梢循環血液量の増加)、原発性骨随線維症、慢性骨髄性白血病などと、骨髄組織所見、染色体分析(philadelphaia染色体など)、経過により鑑別診断する。
E骨髄培養:巨核球前駆細胞から巨核球コロニーが、液性因子の非存在下で形成され、二次性血小板増多症と鑑別できる。

管理上必要な検査

 慢性の経過をとり、予後は出血、血栓症状により決定される。本症から骨髄線維症に移行することがあるがAAA HREF="imd00160.html">AML,CMLに移行することは少なく、腫瘍性増殖による死亡は少ない。若い人には、抗腫瘍剤による積極的な治療を行わない方がよい。出血症状は血栓に続発することが多く、抗血小板剤による治療で出血が改善する。血小板数、出血、血栓の管理は長期にわたるため、治療効果の判定に定期的な臨床所見および検査所見の把握が必要である。@臨床的チェック:血栓、出血症状、肝脾腫。A検査:赤血球数、白血球数、血小板数、白血球分画(4Wに1個)。B1年に1回、消化器検査と肝脾エコーの検査をする。

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