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血小板数

 秋山淑子

概論

 血小板は造血組織(骨髄)中の巨核球の細胞質の断片で,止血栓形成に重要な役割を担っている。
 @血小板は塗抹標本では直径2〜4μmの円盤状を示し,容積は7〜8μm3である。
 A血小板の機能として,異物面に接触して付着する粘着能と,血小板同士が集まる凝集能がある。
 B血小板は血管内で,血管壁に最も近いところを流れており,血管が損傷するとその部に粘着・凝集して修復するように働く。

測定法と正常値
 @自動血球計数器を用いる場合:測定法の原理は他の血球の場合と同様の電気抵抗方式で,2〜20μm3の大きさの粒子だけを選択的に測定する。しかし,まれに小型赤血球破砕赤血球が大きさが類似しているため血小板として計数されることもある。
EDTA-2Kなどで凝固阻止した血液をよく転倒混和し計数器にかける。血小板数とともに図1のような粒度分布グラフが得られ,平均血小板容積(MPV)や血小板分布幅(PDW)も同時にみることができる。これらにより大型血小板の有無など形態的異常が推測できる。
 A直接法:目視法により算定する場合,Brecher-Cronkite法が広く用いられる。原理は1%シュウ酸アンモニウム液で検体を溶血させ,血小板数を位相差顕微鏡下で数えるもので,血液を101倍に希釈し血球計算盤の中央の全区画を算定して得られた値を1,000倍すると1μl中の血小板数となる。
 B間接法:Fnio法は血液を14%硫酸マグネシウムで薄めて塗抹染色標本を作り赤血球1,000個中に出現する血小板数を顕微鏡下で算定し,その検体の赤血球数を掛けて1μlの血小板数とする方法である。

図1 赤血球のヒストグラム

赤血球のヒストグラム


正常値
 自動計数法 15.0〜45.0万/μl
 B-C法    14.0〜44.0万/μl
 Fonio法   13.5〜35.0万/μl
 {注意点}EDTAにより血小板が凝集し見かけ上,血小板減少をきたすことがある(偽性血小板減少症)。

  表1 血小板の量的異常(三輪編 血液病学より抜粋)1)
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@低値
 a)産生低下:再生不良性貧血,急性白血病,放射性障害,ウイルス感染
 b)破壊亢進:1)免疫機序によるもの ITP,薬物アレルギーなど。
        2)その他の原因によるもの 脾機能亢進,体外循環。
 C)消費亢進:DIC, TTP, 巨大血管腫など。
A高値
 a)腫瘍性:本態性血小板増多症,慢性骨髄性白血病骨髄線維症,真性赤血球増多症
 b)反応性:悪性腫瘍,出血,手術後
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  表2 血小板の質的異常1)
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1)機能低下
 a)先天性:血小板無力症本態性アトロンビア,storagepool病,Bernard-Soulier症候群, von Willebrand病放出機構異常
 b)後天性:尿毒症,骨髄増殖性疾患,血漿蛋白異常
2)機能亢進
 血栓症,高脂血症,糖尿など
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異常値の意味

 血小板の場合,量的異常だけでなく質的異常がむしろ重要である。

メディカル・ノート
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 血小板数正常でも出血症状から機能低下が疑われる例が多く,血小板機能検査が重要になる。検査としては血小板粘着能,凝集能,放出能,血餅退縮能,血漿第[因子分析,血小板膜蛋白分析などがある。
 また,機能亢進をみる検査として凝集能,放出能(血漿β-トロンボグロブリン,血小板第4因子)が有用である。

 1)三輪史朗:止血の異常と血栓,血液病学2巻,第一版,1096,1981年,文光堂,東京.
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