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ACTH

貴田岡正史

概論

 ACTHは、副腎皮質を刺激し、コルチゾールアルドステロンの一部、アンドロジェンの分泌をコントロールしている。ACTHの分泌は、視床下部よりのCRFにより促進され、コルチゾールによりネガティブフィードバックを受け抑制される。その分泌は脈動的で、日内リズムが存在する。すなわち早期6時頃より午前中にかけてその血中濃度は高値を、午後より夜半にかけて低値を示す。分泌過剰でクッシング病を呈し、不足で二次性副腎皮質機能不全をきたす。

測定法と正常値

 @通常はradioimmunoassayで測定される。しかしACTHの正常値は他の下垂体ホルモンに比して低く、かつ血中に存在するリピドなどの阻害因子の影響を受けやすく、今なお測定感度、特異性に問題が残されている。したがって、血中ACTHの基礎値からの予備能を判定することは危険であり、負荷試験(表1)に対する反応性の有無から判定する必要がある。正常人の朝8〜9時の血中ACTH濃度は安静空腹時で10〜70pg/ml程度を示す。
 Aサンプル採取:ACTHは精神的、肉体的ストレスで分泌亢進をきたすため、十分な安静時間(30分前後)をおく。ヘパリンまたはEDTAで採血後直ちに氷冷し、可及的速やかに冷却遠心を行い血漿を-20℃以下で保存する。       

  表1 ACTH分泌刺激試験
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試験名     使用薬と投与法      判定      備考
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GRH      1μg/kgもしくは     前値の1.5〜2倍
        100μg 静注
バゾプレシン  LVP10単位 筋注       〃     副作用、強(蒼白、
                            腹痛下痢、血圧
                            上昇)     
インスリン   レギュラーインスリン  ≧100pg/ml    
        0.1u/kg 静注
メチラポン   3g/day2日間      ≧150pg/ml   尿中17-OHCSが前値
 (メトピロン)    経口6分服            の2倍以上
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  ACTH分泌抑制試験
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試験名     使用法と投与法     判定
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デキサメサゾン デキサメサゾン2mg、   尿中17OHCS 2.5mg/day 以下、
        8mg/day。       血中コルチゾール前値の50%以下
            経口4分服
        デキサメサゾン     翌朝の血中コルチゾール≦5μg/dl
          1mg経口(23時)
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 註、判定基準は施設、あるいは測定法で異なる。

異常値の意味

 @異常高値を示す場合:クッシング病、アジソン病、異所性CRF/ACTH症候群、抑欝症、Nelson症候群AACTH不応症、先天性副腎皮質過形成、腎不全。
 A異常低値を示す場合:下垂体機能低下症ACTH単独欠損症を含む)、クッシング症候群、グルココルチコイド投与患者。ACTHを測定するときは、同時にコルチゾールも測定すると診断に有用である(表2)。

  表2
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 @ACTHコルチゾールともに高値:クッシング病、異所性ACTH症候群、抑うつ症。
 AAA HREF="imd00331.html">ACTH高値、コルチゾール低値:アジソン病、先天性副腎皮質過形成、ACTH不応症、ネルソン症候群。
 BACTH低値、コルチゾール高値:副腎原発のクッシング症候群
 CACTHコルチゾールともに低値:視床下部、下垂体の機能低下。
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メディカル・ノート
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 Immunoradiometric assay(IRMA):ホルモンの測定法としては抗原をラジオアイソトープで標識するRIAでほぼ十分と思われてきたが、一部の病態では、RIAで測定できるよりも、もう一桁以上微量の変化を知ることが必要となってきた。そこで抗体側を標識するIRMAが開発された。特にtwo-site IRMAは操作性ならびに感度が優れており、モノクローナル抗体の供給とあいまってRIAの測定系に問題のあったACTHPTH等では臨床応用が待たれている。RIAでは未知の抗原量(ホルモン濃度)は抗体に結合した標識抗原量に逆相関する。一方、IRMAでは抗原と結合する標識抗体は過剰に存在しており、その量は抗原量に正の相関を示す。したがって以下の利点があげられる(表3)。
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  表3 IRMAの利点
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 @標識抗体の作製が容易。A反応測度が早い。B測定感度が高い。C測定範囲が広い。D特異性が高い。E操作が安定している。
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