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BUN・クレアチニン

 山下 晴夫

概論

 血中BUNおよびクレアチニンはともに非蛋白含窒素物質の最終代謝産物であり、主に腎臓から排泄されるため臨床では腎機能の指標として用いられる。BUNは摂取蛋白の量や体内での異化の程度で変動するが、クレアチニンは筋肉の量と関連し、ほぼ一定の値を示す。クレアチニンは糸球体で濾過されると尿細管で再吸収を受けないためGFR(糸球体濾過値)の測定に繁用されている。腎機能障害例の病態の把握にはBUN/クレアチニン比も参考となることが多い。

測定法と正常値

 @BUN:ウレアーゼを用いて生じたアンモニアを比色定量するurease-indophenol法が正確であるが、オートアナライザーではジアセチルモノキシムと反応させ測定するdiacethyl monoxime法が用いられている。正常値は、性(男>女)、年齢、体動、特に食事内容で若干変動する。
 Aクレアチニン:Jaffe反応を利用した比色定量法で測定される。この方法では非クレアチニン発色物質のアセトン体、グルコース、ピルビン酸、ビタミンCなどが多量に存在すると高目の価となる。最近のオートアナライザーではこの点補正されているものが多いが、糖尿病患者では注意を要する。性差(男>女)、日中変動(午後>午前)がある。BUNと異なり外因の影響は受けにくく同一個人では一定した値をとる。

正常値
 BUN       男 12〜18(mg/dl) 
          女 10〜15(mg/dl) 
 クレアチニン  男 0.8〜1.3(mg/dl)
          女 0.5〜0.9(mg/dl)

異常値の意味
 @BUN,クレアチン値が高値となるのは腎機能障害が最も多い。この場合、BUN,クレアチン値はGFR(糸球体濾過値)が正常の30〜40%に低下するまではその上昇の程度は比較的ゆるやかである。しかしGFRがこれ以下になるとその上昇の度合は急激になる。
 ABUN値の上昇は腎以外の因子も関与しており、食事中の蛋白量、脱水、発熱、異化の亢進、ステロイド投与、利尿剤投与、等の影響を受ける。BUN値が18〜20mg/dl程度のわずかな上昇の場合はまず再検し、同時にこれらの要因の有無を確認する。GFR正常例ではこれらの場合にもBUNは異常値とならないが、GFRが50%以下の場合は異常値となることが多い。
 BBUNとクレアチニン値は普通BUN/クレアチニン10程度の比率で上昇する。BUNがこの比よりさらに十分大きいときは、尿素の産生の亢進ないし、尿細管で尿素の再吸収率が上昇している場合である。尿素の再生の亢進は蛋白負荷の増加か、体蛋白異化の亢進による。表1にこれらの原因を示す。
 CBUN値の減少は妊娠時にGFRが増加し排泄が増す場合や、肝硬変で肝臓での合成が低下する場合にみられる。クレアチニン値の減少は同様に妊娠時にみられる。老人では筋肉量が減少し産生量も減るがGFRもやや低下するので血中クレアチニン値はさほど低下せずほぼ一定の値を保つ。

  表1 BUN/クレアチニン比が10以上の場合
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@蛋白負荷の増大:摂取蛋白量の過多、消化管出血。
A体蛋白異化亢進:発熱、カロリー不足、大量ステロイド投与。
B尿素の尿細管再吸収亢進:腎機能低下時の脱水、心不全、利尿剤投与。尿路閉塞。
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メディカル・ノート
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 尿素の尿細管再吸収率の変化:尿素は糸球体で濾過されたのち、尿細管で再吸収されるが、この再吸収率は尿量と腎有効循環血漿量とに逆相関する。すなわち尿量が多い場合には再吸収率は低いが、脱水、心不全で尿量が少なく尿濃縮が高い場合や、利尿剤投与の際の腎有効循環血漿量の減少では再吸収が亢進する。これに対しクレアチニンは糸球体濾過後尿細管で再吸収を受けない。このため上記の場合、BUNはクレアチニンに比し上昇する。
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