[本文書の利用につきましては、目次に明記した注意事項に従って下さい]

CRP(C reactive protein)

 沢田哲治、井上哲文

概論

 CRPは、肺炎球菌細胞壁のC多糖体とCa++の存在下で沈降する血清蛋白であるが、肺炎球菌感染症のみならず、各種の細菌感染症、膠原病、心筋梗塞など多くの炎症性疾患や組織崩壊性疾患の急性期に肝臓で産生され、急速に血中に増加し、比較的速やかに消失する。したがって本検査の疾患特異性は低いものの、感度の点から臨床的有用性はきわめて高く、これらの疾患の有無の検索や疾患活動性、重傷度、治療効果の判定に広く用いられている。

測定法
 @毛細血管法:患者血清と抗CRP血清を毛細管に等量吸い上げ、数回混和後台上に立て、37℃で2時間、さらに4℃で一夜静置して翌朝判定する。沈殿物のない場合を(−)とし、1mm以内を(±)、以下沈殿物の高さに応じて1mmを1+、2mmを2+、ォ、6mm以下を6+とする。   
 A免疫拡散法(SRID、single radial immunodiffusion):至適濃度の抗CRP血清を含有するアガロースゲルのプレートのウエルに、一定量の患者血清を注入し、室温で18時間反応させる。判定に際しては、被験血清の形成する沈降輪の直径を測定し、既知濃度のCRPを含有する標準血清から求めた検量線を用いて、その濃度を求める。
 Bレーザーネフェロメトリー:抗原物質と特異抗血清とを混合した場合に形成される抗原抗体複合物に、He-Neレーザーを照射すると、複合物の濃度により、散乱される散乱光の強度に変化を生ずる。このことから散乱光の強度を測定することで、抗原物質の濃度を求めることが可能である。この手法をCRPの測定に利用することができる。この方法は従来の毛細管法やSIRDに比べ、その測定感度が高く、測定時間も短くてすむというメリットがある。
 Cラテックス凝集比濁法:患者血清と、CRPに対する特異抗体を結合させたラテックス粒子の懸濁液とを混和すると、抗原抗体反応により凝集が始まる。凝集塊の成長に比例して吸光度増加(透過光の減少)が生じるので、その増加速度から、CRP濃度を測定することができる。

 正常値                
 毛細血管              (−)  
 SRID               0.3mg/dl以下
 レーザーネフェロメトリー     0.3mg/dl以下
 ラテックス凝集法         0.3mg/dl以下

測定上の注意
  乳び血清は毛細管法やレーザーネフェロメトリーには不適当である。また毛細管法はクライオグロブリンのために疑陽性を呈することがある。

 異常値の意味
  CRPは表1に示したようなさまざまな病態、すなわち自己免疫疾患や感染症を含む種々の炎症、循環障害(血栓、梗塞)、組織壊死、腫瘍などで陽性となる。

  表1 CRPが陽性を示す主な疾患
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 呼吸器系 急性肺感染症、肺膿瘍、膿胸胸膜炎、重症結核、肺癌、肺梗塞
 循環器系 細菌性心内膜炎、心外膜炎、心筋梗塞、血栓症
 膠原病  慢性関節リウマチリウマチ熱皮膚筋炎、結節性動脈周囲炎、SLE、Behcet病、強皮症
 血液系  白血球、悪性リンパ腫
 消化器系 膿腫、腹膜炎憩室炎、肝炎、クローン病、潰瘍性大腸炎急性膵炎、悪性腫瘍
 泌尿器系 急性尿路感染症、腎周囲膿瘍、悪性腫瘍
 感染症  上記以外の化膿性細菌感染症(ウイルス感染症では強陽性になることはまれ)
 その他  広汎な転移を有する悪性腫瘍、結節性紅斑、薬剤アレルギー
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

メディカル・ノート
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 血沈とCRPの解離                            
 血沈とCRPは多くの場合、病勢に応じて平行して変動するが、両者に解離がみられることがある。                          
 1.血沈遅延とCRP高値                        
 @DIC(播種性血管内凝固症候群)                  
 2.血沈促進とCRP低値                        
 @急性炎症回復期、A強度の貧血、B正常妊娠、C高γグロブリン血症(M蛋白血症、 多発性骨髄腫を含む)、DSjogren症候群(高γグロブリン血症に由来)、ESLE(SLEでは活動期でもCRPが強陽性になることはまれ。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

検索

目次へ戻る

[本文書の利用につきましては、目次に明記した注意事項に従って下さい]