Q64:視物質と光の受容過程

−− ポイント −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
| ●視細胞外節視物質を含む.            |
| ●視物質の活性化によりNa+チャネル過分極する.   |
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
 視物質visual substance)は,11-cisレチナールビタミンAアルデヒド)がオプシンとシッフ塩基結合したものである.視物質は視細胞外節に含まれており,杆体視質錐体視質に大別される.
 @杆体視質ロドプシンである.ロドプシンは光を吸収すると不安定になり,直ちに数段階の反応を経てオプシンとall-transレチナールに分解される.all-transレチナールは,色素上皮細胞の異性下酵素の作用を受けて11-cisレチナールに異化され,外節に供給される.
 A錐体視質:錐体オプシンの種類により,赤受容色素,緑受容色素,青受容色素がある.いずれの視物質も光を吸収して,オプシンとall-transレチナール-1に分解される.
 暗順応時には,外節Na+チャネルはcGMPが結合して開口している.光により光化学変化(ロドプシンの活性化)が起きると,G蛋白質が活性化され,ホスホジエステラーゼが活性化される.これによりcGMPが分解されるため,Na+チャネルは閉鎖し,視細胞には過分極性の受容器電位が発生する.強い光刺激では過分極が持続し,残像が残る.
 明るい所から暗い所に入ると,光に対する感受性がゆっくりと高まる.この時間的変化は暗順応曲線でみることができ,速い相と遅い相が区別される.速い相は錐体の順応,遅い相は杆体の順応によるものである.順応速度の違いは上述の視物質の再合成速度の違いによる.
参考→ 網膜電図electroretinogramERG
眼全体の電気的活動をとらえたものであり,角膜と眼後部との電位差(ヒトでは角膜と頭皮との電位差)を測定したもの.角膜側が数mVの正である(常在電位).光刺激によりa,b,c,d波が区別される.a波は視細胞,b波は双極細胞とミュラー細胞,c波は色素上皮細胞の電位変化を表す.明順応ではc波が減少する.

検索

目次へ戻る

[本文書の利用につきましては、目次に明記した注意事項に従って下さい]